ここでは、FTPソフトを使ったWordPressの手動インストールの手順を解説します。

もしあなたが、WordPressの簡単インストール機能があるサーバーを契約しているなら、そちらの機能でインストールしたほうが簡単です。エックスサーバーやロリポップ、さくらレンタルサーバーなどの主要なサーバーは、ほんの数クリックでWordPressをインストールできる機能を搭載しています。

参考:エックスサーバーのWordPress簡単インストール

簡単インストール機能がないサーバーをすでに契約している場合は、この先でご紹介する手順に沿って、手動インストールを進めてください。

手動インストールに必要なもの

手動インストールには、WordPressに対応したレンタルサーバーとFTPソフトが必要です。

WordPress対応レンタルサーバー

前提として、WordPressの構築に対応したレンタルサーバーを選ぶ必要があります。
ほとんどのレンタルサーバーはWordPressに対応していますが、プランによっては非対応だったりするので注意してください。

WordPressの自動インストール機能があるサーバーを契約しているなら、そちらの機能でインストールしたほうが早いです。もしサーバー契約がこれからなら、自動インストール機能があるサーバーを選ぶことをおすすめします。

もし自動インストール機能がないサーバーをすでに契約しているなら、この先でご紹介する手順に沿って、手動インストールを進めましょう。

自動インストールに比べて少し手間はかかりますが、データベースの概念やFTPソフトの使い方などを学べるいい機会です。WordPressサイトを運用するうえで知っておいて損はない知識なので、ぜひ挑戦してみてください。

FTPソフト

FTPソフトとは、File Transfer Protocol(ファイル・トランスファー・プロトコル)の略で、サーバーにファイルを転送するためのソフトウェアです。WordPressのファイルをサーバーにアップするために必要になります。

レンタルサーバーの管理画面からアップロードすることも可能ですが、FTPソフトを使ったほうが効率的です。

FTPソフトのおすすめは、FileZilla(ファイルジラ)やFFFTP、Cyberduck(サイバーダック)などです。

WordPressの手動インストール手順を5ステップで解説

WordPressの手動インストールは、以下の5ステップで進めます。

  1. データベースの作成
  2. WordPressのファイルをダウンロード
  3. FTPソフトでサーバーへアップロード
  4. データベース情報の入力
  5. サイトの基本情報の入力

難しく思えるかもしれませんが、作業内容は非常にシンプルです。キャプチャを交えながら順を追って解説していくので、一つずつ確実にこなしていけば、無事にインストールできるはずです。

今回は例としてエックスサーバーを使いながら解説します。他のレンタルサーバーと細かな部分で違いはあるかもしれませんが、インストール手順の大枠は変わらないので、ぜひ参考にしてください。

STEP1. データベースの作成

まずはWordPressサイトの情報を格納するデータベースを作成します。エックスサーバーのサーバーパネルにログインしてください。

MySQLの設定

ログイン後、設定対象のドメインを選択して、MySQL設定をクリックしてください。MySQLの設定画面に移行します(MySQLとは、オープンソースのデータベース管理システムのことです)。

MySQLの追加

「MySQLの追加」をクリックしてください。

MySQLデータベース名の設定

データベース名を半角英数字で入力して、「確認画面へ進む」をクリックします。「MySQLデータベースを追加しますか?」という確認ページが表示されるので、データベース名に間違いがなければ追加してください。すると「MySQL一覧」にデータベースが追加されているはずなので、確認しましょう。

次に、データベースにアクセスできるユーザーを追加します。「MySQLユーザ追加」をクリックしてください。

MySQLユーザの追加

MySQLユーザIDとパスワードを入力し、「確認画面へ進む」をクリックしてユーザーを追加してください。MySQLユーザIDとパスワードの情報は後ほど使うことになるので、テキストエディタなどにメモしておきましょう。

ユーザーを追加したあとは、データベースとユーザーを紐付けます。

データベースとユーザーの紐付け

「アクセス権未所有ユーザ」​​のプルダウンメニューから、先ほど追加したユーザーを選択して、「追加」をクリックしてください。そうすると、データベースとユーザーが紐付き、アクセス権が与えられます。

ここまでで、データベースの作成作業は完了です。

STEP2. WordPressのファイルをダウンロード

公式サイトから、最新のWordPressファイルをダウンロードします。

WordPressのダウンロード

ダウンロードしたら、ZIPファイルを解凍しておきましょう。

WordPressのファイル一覧

これらのファイルを、サーバーにアップロードすることになります。

STEP3. FTPソフトでサーバーへアップロード

WordPressファイルをサーバーにアップロードするには、FTPソフトを使います。
今回は、WindowsとMac両方に対応しているFileZilla(ファイルジラ)を使ってみます。他のFTPソフトも、操作方法はだいたい共通しています。

>> FileZilla(ファイルジラ)のダウンロードはこちら

ダウンロード・インストールが完了したら、FileZillaを起動しましょう。

ホスト・ユーザー名・パスワード・ポート番号を入力

ホスト・ユーザー名・パスワード・ポート番号を入力して、サーバーに接続します。
これらの情報は、サーバー契約時に送られてくるメールに記載されています。

FTP情報

記載されているホスト名・ユーザー名・パスワードを、FileZillaに入力しましょう。ポート番号は「21」を入力してください。入力したら、「クイック接続」をクリックしてください。記載ミスがなければ、サーバーに接続されるはずです。

サーバーに接続したら、WordPressをインストールしたいドメインのディレクトリをクリックしてください。

WordPressをインストールするドメインの選択

ドメインのディレクトリの中には、「public_html」というディレクトリがあるはずです。

「public_html」を選択

「public_html」とは、ホームページ用のファイルをアップロードするディレクトリのことです。ここにWordPressのファイルをアップロードします。

「public_html」に直接WordPressのファイルをアップロードする方法と、サブディレクトリを追加して、そこにアップロードする方法の2パターンがあります。

今回は、サブディレクトリにWordPressをインストールする方法で解説します。
まず、「public_html」の中に、任意の名前のサブディレクトリを追加してください。追加したら、そこにWordPressのファイル一式をアップロードしてください。

WordPressファイル一式をアップロード

アップロードが完了するまで待ちましょう。

STEP4. データベース情報の入力

アップロードが完了したら、「ドメイン名/サブディレクトリ」のURLをブラウザの検索バーに入力してください(例:http://○○○○○○.com/blog/)。

すると、以下のページが表示されるはずです。

wp-config.phpファイルの作成

「さあ、始めましょう!」をクリックしてください。

データベース情報の入力

データベース情報の入力ページが表示されます。STEP1. データベースの作成で設定したデータベース名・ユーザー名・パスワードを入力してください。データベースのホスト名は、お使いのサーバーのMySQL設定のページで確認できます。テーブル接頭辞は、デフォルトのままで大丈夫です。

すべて入力したら、「送信」をクリックしてください。

データベース情報入力完了

こちらのページが表示されれば、データベース情報の設定は完了です。「インストール実行」をクリックして、サイト基本情報の入力に進みましょう。

STEP5. サイトの基本情報の入力

最後のステップとして、サイトの基本情報を入力します。
サイト基本情報の入力

サイトのタイトル、ユーザー名、パスワード、メールアドレスを入力してください。タイトルやユーザー名は後から変更できるので、仮でも大丈夫です。ユーザー名とパスワードは、WordPressログイン時に必要になるので、メモしておきましょう。

すべて入力が完了したら、「WordPressをインストール」をクリックしてください。

WordPressのインストール完了

こちらが表示されれば、インストールは正常に完了しています。「ログイン」をクリックしてください。

WordPressのログイン画面

先ほど設定したユーザー名(もしくはメールアドレス)とパスワードを入力して、WordPressのダッシュボードにログインしましょう。

WordPressのダッシュボード

こちらのダッシュボードが表示されるはずです。これでWordPressのインストールの工程はすべて完了です。

WordPressの手動インストール手順まとめ

ここまで、WordPressの手動インストール手順をご紹介しました。
以下の5ステップを確実に実行すれば、無事にWordPressをインストールできるはずです。

  • データベースの作成
  • WordPressのファイルをダウンロード
  • FTPソフトでサーバーへアップロード
  • データベース情報の入力
  • サイトの基本情報の入力

もしインストールできない場合は、WordPress公式のサポートページをチェックしてみてください。

インストール後の作業ですが、サイトを制作する準備を整えるために、WordPressのテーマ(テンプレート)を用意してインストールしましょう。

テーマをインストールしたあとは、必要に応じてプラグイン(拡張機能)を追加していきましょう。HTMLやCSS、PHPの知識がない方でも、簡単に機能を拡張できます。

また、SEO(検索エンジン最適化)の設定も済ませておきましょう。WordPressはSEOと相性がいいと言われますが、デフォルトの状態では不十分です。以下の記事を参考に、SEOの設定を進めてみてください。