今回の記事では無料で利用できるサイト解析ツール(GoogleAnalytics)を活用した、メルマガ(キャンペーンリンク)経由でやってきたユーザー行動を計測する方法についてご紹介します。
この記事を読むことでリンクがクリックされたかどうかだけでなく、指定期間中の新規ユーザーであるか、送客されたユーザーの直帰率など、Google Analyticsで把握ができる数値としてデータを蓄積することができます。

メルマガの効果測定は、とても重要です。ホームページへのリンク(URL)貼って宣伝をすることはよくあると思いますが、メルマガは、ただ単にリンクを貼って送信していれば良いというものではなく、顧客との関係強化など、さまざまな目的を達成する必要があります。つまり、それくらい販売促進に強力なツールであるということです。

達成しなくてはいけない目的があるということは、効果測定により振り返る必要がでてきます。効果が現れている場合はどれくらいの効果であったのか、目的が達成されていない場合については、なにが原因であったのか、流入数や流入元の分析など、できるだけ精度の高い情報を把握することで改善点の発見に繋げることが可能になってきます。正しい検証と改善を繰り返すことができるようになると、最終的には成功の確率を大きく引き上げることに繋がるでしょう。

効果測定をしていないと、キャンペーン期間中の成果を数値で表すことができません。その状態で売上がなかなか上がらない…となると、これって意味あるのかな?(=わからない)という感想を持つようになり、メルマガやキャンペーンに対して懐疑的になっていきます。また、施策を辞めてしまうといったケースにも発展してしまうことも考えられます。それはとても勿体ない。

無駄な販促施策はひとつもありません。失敗を繰り返しても成功に近づくスタンスをもってキャンペーンのデータ測定に取り組んでみましょう。

※この記事の方法を試すにはGoogleアナリティクスの設定が済んでいる必要があります。未設定の方はまずGoogleアナリティクスの設定を行いましょう。

キャンペーンURL作成ツールのパラメータ作成

ご存知の方も多いかもしれませんが、通常メルマガ経由の流入は、ほとんどがGoogleアナリティクスの流入データにおいて、(direct) / (none)という参照元なしに分類されてしまうという事実があります。Google Analyticsでメルマガの効果を確認しようと思ってデータをみても「参照元なし」となっているので、「なんだメルマガのリンクかどうかわからないんだ」となってしまうんです。そこで以下のキャンペーンコードを使用して、リンクに測定可能なパラメーターを付与することで計測を行うようにしていきます。

「Google Analytics」ではURLの末尾にパラメータを設定すると、細かいデータの集計が可能になります。「キャンペーンURL作成ツール」を使用することで、パラメータを手軽に作成することができます。

キャンペーンURL作成ツール

翻訳機能付きのGoogle Chromeが便利

キャンペーンURL作成ツール」は基本、英語で表示されます。chromeブラウザの翻訳機能などを使ってページを翻訳することをおすすめします。

「キャンペーンURL作成ツール」の使い方

項目を入力し、パラメータを作成します。用途によっては未入力の項目があっても問題ありません。項目を埋めていくと、入力欄のすぐ下に連動してURLが生成されます。

入力欄のすぐ下にURLが生成されます。
今回の例ではURL(https://tcd-theme.com/blogpress-free)の?後についている(utm_source=…)以降がパラメータと呼ばれる部分です。

「キャンペーンURL作成ツール」のパラメータ

基本的に使うパラメータの項目は以下の4種類です。キャンペーン期間、キャンペーンの内容もありますがそちらは適宜必要そうでしたら使っていくようにしましょう。

  • ウェブサイトのURL(Website URL)
  • キャンペーンソース(Campaign Source)
  • キャンペーン媒体(Campaign Medium)
  • キャンペーン名(Campaign Name)
項目名 概要 入力する文字(例)
ウェブサイトのURL 遷移するページのURL。(※必須:Google Analyticsに登録済のウェブサイト、またはその配下のサイト) (例)https://tcd-theme.com/
キャンペーンソース どのキャンペーンからの流入なのか特定に使います。たとえばTCDユーザーにメルマガを送る場合には「TCD」とするといいでしょう。 (例)TCD etc…
キャンペーン媒体 メルマガでの宣伝なら「email」、テキストリンクなら「text-link」バナー掲載なら「img-link」など媒体を識別管理しやすいよう記入します。 (例)email、text-link、img-link etc…
キャンペーン名 キャンペーンのタイトルをつけます。効果の比較をする場合は、年月日をつけるとよりわかりやすくなります。 (例)tcd_cp_181020 etc…

上記を参考に埋めていくとパラメータ付のURLが生成されますのでそちらをコピーして使用します。

メルマガやバナーのリンク箇所にこちらのURLを設定したら、測定可能なリンク設定は完了です!

「URLをショートリンクに変換する」を押すとhttp://bit.ly/のサービスと連携して短縮URLにすることも可能です。

Google Analyticsで効果を確認する

Google Analyticsにログインした後、サイドメニューにある「集客」をクリックして、「キャンペーン」>「すべてのキャンペーン」をと進みます。

どんなふうに表示されるかGoogle Analyticsでの測定画面(デモ)を実際に見てみることができます

実際にはまだ数値を取得していないのでイメージが分かないという方むけにGoogle Analyticsに用意されているデモアカウントを追加する方法をご紹介します。実際に測定結果が表れている画面をチェックすることができますので是非お試しください。※Googleアカウント取得している必要があります。

Google アナリティクス ヘルプ:デモアカウントの追加デモアカウントの削除

リンク先にある「デモアカウントを追加」ボタンを押すとデモの数値でアナリティクスを触ることができるようになります。削除も簡単ですので、まだ数値をとるほどアクセスがないという場合もGoogle Analyticsに慣れることができますのでお試しください。

こんなデータの見方があります

項目名 概要
ユーザー 特定期間でサイトに訪問した、固有のユーザーを指します。セッションが1回ずつの訪問回数を計測するのに対し、ユーザーは同じ1人の人追跡してカウントします。例えると、1ユーザーが朝、夜アクセスした場合、セッション2のユーザー1となる。
※仮に同一人物であったとしても違うブラウザや違う端末を使った場合は、別ユーザーとしてのカウントとなりますので注意してください。
新規ユーザー サイトでの計測が始まってから初めてサイトに来たユーザーの数になります。期間を指定して新規ユーザーを見ることもできます。
セッション サイトに訪問してから離脱(=セッションが切れる)するまでの一連の行動。セッションが切れる条件はサイト内での行動が30分以上何もない、日付けが変わる、参照元が変わった時です。(※離脱となる)
直帰率 流入してきて1ページ目で離脱した人の率。ここは少ない方が良い数値です。
ページ/セッション 1つのセッション中に表示された平均ページ数です。直接キャンペーンページに遷移させたりしていない場合はこの数値が上がるとよく回遊してくれたということになります。

別途Google Analyticsの設定で「目標設定」などを済ませておくとメルマガから流入してきた人のコンバージョン率なども測定可能になります。

まとめ

一度やって慣れてしまうと意外とあっけなく感じると思いますので、とりあえずやってみることをオススメします。今回はリンク箇所に計測可能なパラメータを設定することでメルマガの効果測定にも使える方法をご案内しました。費用を掛けずに取り組むことが可能で効果も抜群ですので取り組んでみてください。

解析するだけを目的とせず、そのデータを元にリンク前後のテキストを変更したり、構成を改善する時に活かしたりする習慣をつけることがとても重要です。根拠のある改善のサイクルを回していくことでホームページのPVアップはもちろん、送客数アップ、売上アップも間違いなく達成できます。ぜひこれを機にGoogle Analyticsを活用していただけると嬉しいです。

▼今回紹介したリンクにパラメータを付ける方法以外にも「この画像が表示されたら?」「カーソルがオンになったら?」まで測定可能な方法もご紹介しています。リンクを踏んだユーザー以外の行動を把握したい場合はお試しください。