WordPressを利用して自社メディアやコーポレートサイトなどを立ち上げる際につきものなのが、ライティング業務です。どれくらいの文章量が必要なのかは運営コンセプトによって変わりますが、「文章を書かなければいけない」ということに変わりありません。そこで今回は、効率よくライティング業務を進めるために便利なChrome拡張機能3つと、それぞれの使用方法をご紹介します。とくにライティング初心者の方はどのようなツールを使用すればよいか悩んでしまうことでしょう。手軽に導入できるツールを選んでみましたので、ぜひ本記事を参考に試してみてはいかがでしょうか。

1.Evernote Web Clipper

Evernote Web Clipper

「Evernote Web Clipper」は、有名なメモツールである「Evernote」の拡張機能です。

忘れないようにアイデアを記録するには、立ち止まって紙にメモする必要がありました。Web ページを保存したければブックマークに保存したり、スクリーンショットを撮影する必要がありました。ファイルを保存したりチームと共有したりするには、Office 文書をメールでやり取りする必要があり、どれが最新版なのか分からなくなることもよくありました。 そこで登場したのが、Evernote です。Evernote は世界中で2億2500万人ものユーザに、25の言語で使用されています。Evernote について – Evernote

閲覧中のWebページやPDF、メールなどをそのままEvernoteに保存できます。保存内容はノートとして登録され、そのままテキストを編集することも可能です。メールを保存する場合は、添付ファイルも同時に保存されます。検索ブラウザで利用される「ブックマーク」と似た機能ですが、Evernote Web Clipperで保存すれば、保存元のWebページがなんらかの理由で閲覧できなくなっても、データとして残しておけます。また、オフライン下でもWebページの内容を確認することもできます。

使い方

Evernote Web Clipperでは、数回のクリックで簡単に保存できます。加えて、複数の形式で保存できることも強みです。
利用するに当たって、事前にEvernoteのアカウントにログインしておきましょう。

Evernote

クリップの保存

保存したいWebページを開き、 Evernote Web Clipperのアイコンをクリックします。

保存するクリップの設定を行います。「クリップの形式」「保存先」「タグ」「コメント」を設定して、「クリップを保存」をクリックしてください。クリップの形式は、以下の5種類です。

  1. 記事:Webページ内の本文を抜き取る
  2. 簡易版の記事:ページ内の文章を要素ごとに整理する
  3. ページ全体:ページ全体をまとめて保存
  4. ブックマーク:リンクそのものをブックマークとして保存
  5. スクリーンショット:Webページを画像として保存

「記事」や「簡易版の記事」では、自動で抜き取る範囲が決定されるのでページによってはすべての内容を抜き取れない可能性がありますので注意してください。

保存が完了すると上画像の画面が表示されます。このままEvernoteを開いて確認することもできますし、 Evernote Web Clipper上からリマインダーの設定や共有をすることも可能です。間違えて保存してしまった場合は、「クリップを削除」から削除してください。

クリップの編集

保存したクリップは、Evernoteを開いて閲覧・編集します。保存機能はPCのみですが、編集はPC・スマートフォンともに可能です。上画像は、「記事」で保存したバージョンです。レイアウトがそのまま残っていることが特徴で、ページ移動のボタンにはリンクも貼られています。テキスト部分を編集することができます。

設定

設定では、利用するアカウントやノート、タグなどの設定が行なえます。利用を始める前に、一度設定を確認してみましょう。

また、Evernote Web Clipperではショートカットキーを設定することもできます。必要に応じて設定してください。

2.Google Keep Chrome拡張機能

Google Keep Chrome拡張機能

「Google Keep Chrome拡張機能」は、「Google Keep」というメモアプリのサポートツールのひとつです。Web上のコンテンツをメモとしてGoogleのクラウド上に保存できます。Web上のコンテンツをメモ感覚ですぐ保存できる点はEvernoteと類似していますが、こちらはGoogleのツールのひとつ。Googleの各種ツールともスムーズに連携できるので、とくに普段からGoogle Driveを使用している方にオススメです。

写真や文章、デザイン、描画、音楽、動画など、さまざまなデータを保管しておけます。Google アカウントをお持ちであれば、15 GB の保存容量を無料でご利用いただけます。Google Driveの概要 – Google Drive

使い方

Google Keepでは、利用を始める前にGoogleアカウントのログインが必要です。あらかじめ利用するアカウントを確認し、ログインしておきましょう。

Googleアカウント

コンテンツを保存する

Google Keep Chrome 拡張機能の使い方はとてもシンプルで、保存したいページを開いた状態で、アイコンをクリックするだけで完了します。

クリック後、「保存しました」と表示が出れば完了です。任意でコメントをつけることもできます。保存されたページはアイコンが黄色く点灯します。
ウィンドウ右側のアイコンについてですが、一番上のアイコンは「リンクを削除する」アイコンです。誤って保存した際にアイコンをクリックして削除することができます。真ん中のアイコンはラベルアイコンです。任意のタグを設定しすることができます。一番下のアイコンは「Keepで開く」アイコンです。このアイコンをクリックすると別ウィンドウでGoogle Keepが開きます。

コンテンツを閲覧・編集する

コンテンツの閲覧・編集機能は拡張機能には搭載されていませんが、知っておけば「Google Keep」を利用する際に便利です。拡張機能を利用して保存したWebページやPDFなどを閲覧・編集する際に利用してください。

Google Keepを開きます。保存したコンテンツは上画像のように一覧で表示されます。

保存したコンテンツを開きます。Google Keep Chrome 拡張機能で保存できるのはリンクとラベルだけですので、追加で補足を加える場合は拡張機能で一度保存してからGoogle Keepで直接編集してください。

3.Super Highlight Search

Super Highlight Search

「Super Highlight Search」は、Webページ内にあるワードを抽出できる拡張機能です。ライティングにおいては、キーワードを抽出する際に使ったり、表記ゆれのチェックをしたりする際に活用できます。私の使用用途としてはWebページ内の特定のテキストを検索するときに使用しています。ブラウザのショートカットキーCtrl + Fでも検索できますが、各単語や一文ごとの検索になり、複数のテキストを検索しようとするとそれ相応の時間がかかってしまいます。その点、この拡張機能を追加すると、正規表現が使えるので、例えば[0-9]と入力してページ内のすべての全角数字を検索できたりするため、テキストチェック時に時間短縮となっています。

「Ctrl(またはCommand)+Fキー」のショートカットで検索をすると、英字の大文字・小文字を区別せずに抽出されます。これは英字だけでなく日本語でも言えることで、ひらがなとカタカナは区別されずに抽出されます。特定のキーワードがWebページ上のどこに含まれているのかを確認したい場合は、区別されないことはとくに問題ではありません。しかし、記事を公開した後やGoogleドキュメントなどブラウザ上でライティングをした後に、表記ゆれをチェックしたい場合には不便になることもあります。

そこで「Super Highlight Search」を利用すれば、ひらがなとカタカナ、アルファベットの大文字と小文字といったような細かい違いも区別して抽出することが可能です。ライティング後の仕上げ作業で「Ctrl(またはCommand)+Fキー」を使用する機会の多い方は、より抽出精度を高めるためにこちらの拡張機能を利用してみてはいかがでしょうか。

使い方

使い方はいたってシンプルで、画面右上に表示されているアイコンをクリックし、抽出したいテキストを入力することで完了します。

抽出でヒットしたワードは、上画像のようにマーキングされます。テキストを消すか、ウィンドウを閉じると画面は元に戻ります。この他に、抽出の際に利用する3つのオプションをご紹介します。必要に応じて調整してください。

1.Regular Expression

検索ウィンドウ上部にある3つアイコンのうち、一番左側のアイコンです。Regular Expressionとは「正規表現」の意味で、このボタンをオンにして抽出するとアルファベットの大文字や小文字、ひらがなとカタカナの「あ」などが区別されます。この機能はSuper Highlight Searchの最大の強みですので、抽出する際は常にオンにしておきましょう。

2.Case Sensitive

3つのアイコンのうち、真ん中のアイコンです。Case Sensitiveとは「大文字と小文字を区別する」という意味で、アルファベットの大文字・小文字の違いのみ識別します。
英語表記の表記ゆれを確認したい場合は、こちらをオンにして抽出しましょう。

3.Dim Lights/Fast Mode

3つのアイコンのうち、一番右側のアイコンです。このアイコンをオンにすると、抽出した際にページ全体が薄暗くなり、抽出結果のハイライトがより目立って分かりやすくなります。オフにした状態だと、ページの色はそのままでハイライトのみがされる状態になります。抽出結果をはっきり見たい場合はオンに、ページの邪魔になりたくない場合はオフに、お好みで選択してください。

まとめ

ライティング業務では、煩雑な作業をツールを活用して効率化を行うことで、文章を書くことに専念することができる環境を整えるられることが望ましいでしょう。今回ご紹介したChrome拡張機能はChromeブラウザ上で手軽に利用できるため、Chromeブラウザを使える環境であればWin、MacなどPCを選ばない環境で活用することができます。是非、Chromeブラウザにインストールしてお試しください。お気に入りの拡張機能となれば嬉しく思います。