スマホやネットの普及に伴い、レストランを探す際にはまずネットで情報収集するユーザーが圧倒的に増えています。そのため、飲食店における「集客」では、WEBやSNSを活用したさまざまな戦略が欠かせません。今回の記事では、飲食店がなぜネット集客に力を入れる必要があるのか、そして具体的なネット媒体ごとにどのような特徴があるのか、といった、ネット集客での基本的な情報について解説していきます。集客につながるホームページの構築やSNSの活用法などについても紹介していますので、ぜひ販売促進、広報活動の参考にしてください。

インターネットでの集客に取り組む必要性について

あなたがもし、旅先で飲食店を探しているシーンや日常においてもいつもと違うお店を探している場合に何を情報源にするでしょうか。マイボイスコム株式会社が実施した「飲食店の情報源に関する調査」では、実に7割以上の人がインターネットのサイトを情報源といる結果がでており、スマホのサイトやアプリ経由の人も含めると、ほとんどのお客さんがネットで情報を集めてからやって来る、ということがデータにまとめられています。

ところが、個々の飲食店に目を向けると、自前のホームページを持っている店の数が意外と少ないのが現状です。たしかにグルメサイトやポータルサイトを利用すれば、自店オリジナルのサイトをわざわざ作らなくても情報発信をすることはできます。ただし、それだけではせっかくのビジネスチャンスを取り逃がすことになりかねないのです。

その主な理由の1つは、グルメサイトなどに情報発信を依存した場合、自店の情報を見てくれた「見込み客」の人たちが、どういう属性の人たちで、実際に店に来てくれた人の割合はどれくらいか、という貴重なアクセス解析情報を自前で収集できない、という点です。このようなマーケティング価値の高い情報を自分たちで集められないのは、かなりもったいないといえるでしょう。

さらに、グルメサイトの情報は他店との比較という視点で見られているので、自店のブランディングやプロモーションのベースとなりにくいというのも難点です。自分たちのサイトであれば、お客さんにアピールしたい情報を伝え、グルメサイトなどでは伝えきれない情報を伝えることができます。そういった情報はSNSや他のアナログ広告と絡めて多角的に展開できますし、なによりサイト上の情報で店の「顔」が見えることで、お客さんの安心感や興味を持ってもらうことにもつながっていくでしょう。したがって、飲食店が自前のサイトを持つことで得られるメリットは極めて大きいと言わざるをえません。

集客につながるホームページ構築のポイント

飲食店のホームページを作る際には、必要最低限の情報をわかりやすく掲載しておくことが一番大事です。営業時間、電話番号、店舗の住所と地図、それからどのようなお店なのかわかるように、お店の外観や内装も掲載しておきましょう。店舗に足を運んでもらうことに影響する情報はわかりやすい位置に魅力的に掲載することが大事です。たとえば、電話番号などはタップしたらすぐに電話できるようにする、地図はGoogle Mapで埋め込んですぐにお客さんが確認できるようにする、といった、ユーザービリティを重視した考えた設計にしておく必要があります。ホームページはスマホ対応で表示できるようにしておくことも大事で、スマホで見づらい画面にしておくとスマホで検索しているお客さんが離脱してしまいます。またさらに踏み込んだ施策としては予約フォームなどを設けておくと、今すぐに来店をしないユーザーの取りこぼし対策となります。

肝心のお店のメニューもしっかり掲載しておくことが重要です。とくに、イチ押しのメニューやおすすめ商品などは、食欲をそそるような色使いで、自然光を当てた立体的な写真画像を載せておきましょう。そして、メニューの紹介のところにはしっかり価格も載せます。お客さんの気になる情報をわかりやすく提示することが、集客へとつながっていくからです。

ホームページで集客するならWordPress

集客につながるWEBサイトを作るためには、必ずしも高い技術や資金力が必要というわけではありません。それほどパソコンやネットに詳しくなくても、集客できるサイト作りはできます。その大きな味方となるのがCMS(Contents Management System)と呼ばれる、簡単な入力で自動的にサイトを構築してくれるソフトウェアです。CMSはたくさんの種類がありますが、そのなかでも全世界規模で利用されているのがWordPress(ワードプレス)というソフトウェアです。

WordPress.org

WordPressはソフト自体の利用は無料です。専用のテーマや機能拡張ソフトであるプラグインという付加機能も充実しています。デザインが施されたテーマ、多機能なプラグインをインストールすれば、専門知識がほとんどなくてもおしゃれなで高機能な専用サイトを構築することができます。しかも、WordPressはSEOにも強いサイトを構築しやすいので、コンテンツを充実させていけば近隣店舗の中でも検索上位に載りやすいという特徴があります。記事の入力やサイトのカスタマイズ、内容の更新なども簡単で自社内で対応をすることで運用スピードを速く保つことができます。ソフトウェアのアップデートはボタン一つで完了するなど、ともかく使い勝手という点では抜群です。ランニングコストもサーバーやドメイン代(年間1~2万円弱ほど)のほかに費用はかからないので、コスト面でも非常に優秀といえるでしょう。

多種多様な角度からユーザーとの接点を持つことができるSNSを活用して集客に繋げる

集客におけるSNSの活用について、代表的な媒体ごとにその特徴と活用法を解説していきます。使ったことがないSNSがありましたら是非この機会に触れてみてください。ユーザーの行動を体験することは思わぬヒラメキに繋がることもあります。

集客のためのSNS活用法1: Twitter

twitter

1つ目はTwitterです。Twitterの特徴は、利用率の高い層が10代から20代と若いので、こうした若い世代のユーザーをターゲットにしている、あるいは若い人たちに好まれるメニューやサービスをアピールしたい、というお店に向いているSNSといえるでしょう。利用者の男女比にかたよりがないのも特徴です。

Twitterの利用傾向として、気軽に利用する人が圧倒的なためか、おもしろい話題やテレビやメディアを通じて瞬間的に話題になっているものなどが爆発的に拡散されることが多いです。そのため、話題作りやインパクトのある情報、流行に乗ったホットな情報などを積極的に発信できるのであれば、非常に有効なツールとなります。「今」を伝えるメディアですので、発信頻度は1日数ツイートぐらいのペースが必要でしょう。ただし、Twitterは匿名のSNSだけに会話にの認識違いや、争いごとに発展するなど問題になることも多く、発信する情報と対応についてはルールを決めるなど細心の注意を払うようにしましょう。

集客のためのSNS活用法2: Instagram

instagram

Instagramは写真の投稿がメインのSNSで、主に若い女性を中心に利用されているメディアです。若い女性がメインターゲットとなる飲食店にとっては非常に相性のいいSNSで、検索した写真の画像からお店のアカウントへ入ってくる人が多く、うまく活用すれば効果的な集客ツールとなりえます。

利用のポイントは何と言っても「写真の質」です。「インスタ映え」という言葉通り、写真映えするメニューや内装のおしゃれ感が伝われば、検索される確率は上がります。お気に入りの写真として目にとまるようになることでプロフィールページの閲覧数が上がります。アクティブユーザーの数や旅行先をインスタグラムの写真から検討するという傾向もあり、実際に来店に繋がる可能性も高いでしょう。写真の画質や撮影の技術なども重要で、とくに機材については接写向きの撮影機器を導入するくらいでもいいでしょう。そして、投稿の際に重要なのはハッシュタグです。Instagramのハッシュタグは1投稿につき30件まで入れられますが、そこにはメニューや食材だけでなく、必ず地名を入れるようにしましょう。ハッシュタグは検索対象でもあるので、たとえば「#カフェ #大阪」といったハッシュタグ付きの投稿が、大阪でカフェを探している人の検索にヒットする、ということが考えられます。ハッシュタグの選び方は、写真と同じくらいの神経を使うとより効果的なアクセス増に繋がります。

もっと詳しく運用のコツをまとめました

集客のためのSNS活用法3: LINE@

LINE@

LINEはメール・チャット型のSNSで、その最大の特徴は利用層の多さです。若い世代ほど利用率は高いとはいえ、10代から60代までのどの世代でも高い利用率を誇ります。集客ツールとしてのLINEの特徴は、特定のユーザーに対してより緊密な情報発信ができることです。グループチャットや1対1のやりとりが中心のメディアなので、お店の情報を発信したり、クーポンを発行したりといったリピーターの呼び込み戦略にうってつけといえるでしょう。予約や問い合わせの受付としても利用できます。

そして、LINEをお店が利用する場合、「LINE公式アカウント」の取得か「LINE@」を利用することになるでしょう。「LINE公式アカウント」は月額250万円以上かかるサービスなので、通常は「LINE@」での利用になります。「LINE@」は「LINE公式アカウント」の小規模版ともいうべきもので、登録ユーザーに一斉送信する機能やショップカート機能、クーポン発行機能などが利用できるようになっています。なお、この「LINE@」と「LINE公式アカウント」は統合サービス化するというアナウンスがあるので(2018年時点で詳細は未定)、活用を検討するのならばLINEに関する情報をこまめにチェックしておきましょう。

集客のためのSNS活用法4: Facebook

facebook

Facebookは国内でも約2800万人の利用者がいるSNSです。年齢層は比較的高めで、女性は20代から30代、男性は40代から50代の比率が高いとされています。実名登録のSNSであるため、自分の属性にあった情報や役に立つ情報、近況報告などのやりとりがメインのメディアです。

他のSNSと比べると爆発的な話題性を起こすといったことが難しく、どちらかというとLINEと同様に、ファンや興味を持ったお客さんに対して定期的に情報発信する、という使い方が効果的といえるでしょう。比較的長文での投稿が好まれる傾向にありますから、スタッフの写真やお客さんのグループとの写真を許可をいただいて載せていく、といったお店の「リアル」感を伝えるスタンスが有効です。

集客のために活用できるメールマガジン


メールマガジンはユーザーが会員登録してくれたメールアドレスに向けて、定期的に情報発信していくメディアです。他のSNSが流行するはるか前からあるネットメディアにもかかわらず、依然として集客戦略としての有効性は健在です。LINE@やFacebookなどでも似たような戦略は取れますが、メールマガジンはより強力にお客さんのファン化、リピーター化を促進する力があります。高機能なメルマガスタンドを活用することでステップメールといったスケジュール通りにユーザーにメッセージを届けてくれる機能などを活用するとある程度自動化した運用も可能になります。運用にコツはいりますがその人にしか届かない情報を届けることなどSNSサービスにはないユーザーメリットを提供することができます。メールは字数の制限もありませんので、伝えたい情報をしっかり伝えやすいというのも、かなりの強みです。

また、サービスの安定性という点も見逃せません。たとえばLINEにしろ、Facebookにしろ、SNSは流行り廃りと無縁ではありませんし、運営側の都合でサービス内容が変更されたり、停止されたりといったリスクも伴います。その点、メルマガはメールアドレスがこの世にある限り存在し続けるPR手段です。お客さんのリピーター化やファン化という点では、メルマガはしっかりと押さえるべき販促方法となるでしょう。(よろしければ弊社メールマガジンを参考に購読ください。TCDのメールマガジン「QORE」はあなたのウェブマーケティングに参考となる情報を日々お届けします)

WEB集客の基点となるホームページを作成しよう!


このように、一口にインターネットを活用したレストラン、飲食店の集客といっても、たくさんの方法があります。それぞれのSNS、メールマガジンなど、特性に合った使い方をすれば、大きな予算を必要とせず、非常に効率的な集客へとつなげることができるでしょう。しかし、SNSでの集客はお手軽な集客方法に過ぎません。そこで基本的に力を入れるべきポイントがWEB集客の基点となるお店のホームページです。大手のグルメサイトなどへの掲載だけでは得られないメリットがたくさんありますので、まずはお店の「顔」となる、ホームページを作っておきましょう。

幹となるホームページがしっかりと運営をされることでその枝葉となるSNSも充実していきます。現在は昔ほどホームページ制作も高価な代物ではなくなっています。当記事でもオススメをさせていただいたWordPressのテーマを使えば、プロ顔負けの、自分たちのお店にしかない個性を伝えられるサイトを構築することができます。これからインターネットを使った情報発信を検討するという方は是非、店舗ホームページを軸としたインターネット販促展開をご検討ください。

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