サイトを運営する上で重要な指標のひとつが、「コンバージョン率」です。特にネットショップや商品紹介ページを運営している方であれば、目標としてコンバージョン率の向上に励んでいる方も多いはずです。そんなコンバージョン率向上のための施策として重要視されているのが、「CTA(Call To Action)」です。自社ホームページを訪れたユーザーに購入や資料請求など、何かしらの行動を起こしてもらうための要素としてとても重要なものです。そのCTAを工夫することで、より高いコンバージョン率を狙うことができます。今回は、効果的なCTAを設置するためのポイントをモーダルCTA機能を実装したWordPressをテーマ「ROCK」を使って解説していきます。

コンバージョン率 とは
成約率、コンバージョンレート、CVRともいう、Webサイトの目標に達した数を、目標に達する最初の段階に入った数で割った割合のこと。インターネット広告やECサイトで、効率を計るために用いる。
コトバンク

CTA(Call To Action)
直訳すると「行動喚起」という意味になり、Webマーケティングの世界では、「訪問者にとってもらいたい行動を誘導する」ことと定義できます。ユーザーを誘導すること及び誘導するためのテキストや画像を指します。例えば、 ブログ記事であれば「この記事を Twitterでシェアする」ボタン、リスティングページであれば「資料を請求する」ための問い合わせ フォームがCTAとなります。

自在にCTAをコントロール可能

WordPressテーマ「ROCK」では特徴的なところでモーダルCTAを挙げていますが、サイト全体にCTAを散りばめることができるCTAを操る為のWordPressテーマといってもいいくらいマーケティング魂が燃えるテーマだったりします。モーダルCTAはデモサイトで確認いただけます。過去にデモサイトを閲覧していない場合はサイトを開いて2秒ほど経過するとDIVAのPV動画がモーダルで表示されます。

デモサイト

※既に一度デモサイトのモーダルを閉じた方はブラウザキャッシュを消すことで再度表示させることができます。

豊富なCTAを戦略的な仕掛けとしてサイトオーナーに使いこなしていただけると、メディア運営の本質的な楽しみも伝えられるのではないかと思っています。

WordPressテーマ「ROCK」は豊富なウィジェットがカード状に並ぶ記事一覧に違和感なく挿入されます。直接的なアクションを促すCTAを設置したり、ユーザーにとって有益な記事の露出を増やしたりすることが可能ですので是非ウィジェットの活用はお試しいただきたいところです。

CTAとしてユーザーに期待する行動

CTAは通常、以下のような行動をユーザーに起こしてもらうために設置されます。

  • 購入
  • 資料請求、メルマガ登録
  • お問い合わせ、電話
  • 会員登録、ユーザー登録
  • 続きを読む(Read more)
  • LPサイトへの誘導
  • リアクション、コメント記入

サイトの運営者としてユーザーに「してほしいこと」がある場合は、CTAを設置するべきでしょう。念じているだけではユーザーが行動を起こしてくれることはありません。問題があったときのお問合せフォームを含めないとしても、CTAが全くなくて良いというウェブサイトは、世の中にほとんど無いのではないでしょうか。ウェブサイトは何を目的に立ち上げたのか、その目的に近づく一つのアクションを起こしてもらうことがCTAの役割です。

CTAの設置場所について

CTAは設置する場所を工夫することで コンバージョン率向上に繋がります。一般的に下記のような場所に設置しますが、どこに設置すると効果があがるのか?には残念ながら正解はないと言ってもいいでしょう。CTAの前後のコンテンツ、ユーザーの好み、CTA自体のセンスによって数字は変化しますのでダメなら変える。くらいの気持ちで挑むといいでしょう。あまりに短期的な判断は危険です。単にいま悪いだけ。のこともありますし…こればかりはしっかり自分の中で指標をもってそれをブラさないことの方が大事だと思います。

  • Webページのヘッダー・フッター
  • コンテンツ(記事)の途中や直後
  • サイドバー
  • ランディングページの文中、文末
  • ページ遷移時にモーダルやポップアップで表示

↑「ROCK」に存在する設置箇所を太字にしましたが(笑)全部あります。さらにウィジェットとネイティブ広告を記事の一覧の中に好みの塩梅で混ぜることができますのでもう一つ踏み込んだCTA運用が可能です。

CVRを向上させるCTAの改善ポイントを5つに絞ってご紹介します

1. ユーザーが リンク先をイメージできる文言を使用する

CTAは、ホームページに訪れた ユーザーを「コンバージョン」に導くためのものです。いかに ユーザーに「この行動を取ることで、自分にとってメリットのあるもの(商品や資料、情報など)が手に入る」と思ってもらえるかが重要です。まずはどのような ユーザーに コンバージョンして欲しいのかを設定し、その ユーザーに響くCTAは何かを考えましょう。CTA上のラベル(コピー、テキスト)では、ユーザーに具体的な行動を起こさせる明確な表現が求められます。「短く」「シンプルで」「すぐに理解できる」表現で「お声掛け」をします。

具体的なコピーの例として、シンプルな会員登録バナーを要素に差をつけて作ってみました。分かりやすいように極力ベースは触らないようにして要素を追加しています。

どのような差をつけたかといいますと、以下のような要素です。

  • 具体的なアクションを求めること
  • 具体的なメリットを感じること
  • 安心感があること、不安を和らげ、ハードルを下げること

それぞれを詳しくみていきます。

CTAの内容は具体的に、明確に

CTAでは、 ユーザーに「何をして欲しいのか」を明確にしましょう。たとえば「ここをクリック」ではなく、矢印を加えて「クリックして購入」「資料をダウンロードするにはここをクリック」のように表記を変えるだけでも、 ユーザーに起こして欲しい行動が明確になります。ユーザーに何をして欲しいのか明確にし、迷わず行動を起こしてもらいましょう。

さらにアクションを明確にするだけではなく「●月●日までの会員登録で2週間無料でお試し」といった感じに具体的な行動によって得られるメリットを記載したほうが、コンバージョン率は上がります。

お得感と限定感を演出する

お得感と限定感は、人の購買意欲を高め、効果的に「購入」へと促します。まず「お得感」は、お客さんが実感するもの(値引き、欲しいものがもらえる)が効果的です。また、CTAに「今行動を起こさないと損をする」という印象付けを含めるだけで、コンバージョン率が150%近く向上したという事例があるくらい、限定性&お得感がある露出は大切です。できるだけ「今」行動を起こしてもらえるようなCTAラベル(コピー、テキスト)を設置するよう心掛けましょう。たとえば例のように「今回だけのオファー」のような文言を用いたり、ストレートに「今すぐ」といった キーワードを含めたりすることも有効です。人が期間限定もの、数が少ないものなどに価値を感じる心理「希少性の原理」をうまく活用しましょう。

ユーザーの心理的な負担を低減させる

CTAボタンは、 ユーザーに何かしら新しい行動を促します。ただ、人は新しいものには警戒感を抱き、簡単には行動してくれないことも少なくありません。それは「損失回避の傾向」とも呼ばれ、「得をしたい」気持ちより「損をしたくない」気持ちの方が強い心理傾向からきています。特に「購入」や「資料請求」など、 ユーザーの個人情報を入力する必要のあるものは難易度も上がります。例えば「会員登録不要」「たったの3STEP」など、心理的ハードルを下げるような表記も効果的です。また、CTAには視線が集中するので、ラベルには盛り込みにくい補足情報やメリットを注釈のようにCTAの下に添えると効果的です。「会員登録にはクレジットカード情報は不要です」や「30日間は返品無料です」といった不安を緩和する表現を添えてみましょう。※例では画像に含めました。

2.設置場所を意識する

一般的な設置場所を紹介しましたが、サイト運営者の判断ひとつでどこにCTAを置くのかは自由です。人の視線は、一般的に「左上から右下に向かって移動」「アルファベットのFやZのように移動する」といわれます。画面の情報を把握しようとした時の視線の動かし方に特徴があるということですね。CTAはユーザーの目につきやすい場所に設置することが重要なので、ある程度人間の統計的な特徴をアテにするのはアリでしょう。視線の流れを踏まえて右下や中央など ページの性質に合わせてに設置場所を工夫してみましょう。敢えてコンテンツを邪魔しないようにCTAを置くっていう気の利かせ方もひとつの戦略ではありますが。

また視線の流れで見られるというだけでなく、『確実に目につく場所』に設置するのも有効です。確実に目に付く場所といって思いつくでしょうか。たとえば、ホームページのファーストビューでCTAが目に入るような場所への設置ですね。ポータルサイトなどに広告を出稿するときはこの目に付く確度が高い箇所ほど掲載料が高い傾向にあります。察しの良いかたはお気づきだと思いますが、WordPressテーマ「ROCK」のモーダルCTAはファーストビューなどにくらべてさらに強力で100%目に付くCTAとして機能します。そのあたりの使い方を模索いただけるといいのかなと思います。

3.視覚的に強調した(目立つ)デザインにする

色やイラスト、写真などのデザインは、 ユーザーの視覚を通して直観的に何らかのイメージを与える効果があります。CTAも、デザインを強調したり変化を加えることでコンバージョン率向上に繋げることができるでしょう。最低限そのウェブサイトの中でデザインの一貫性を揃える必要はありますが、揃えた結果あまりに目立たなくなってしまうこともあるため、普段使わない配色を用いたりして目立たせるのもひとつです。CTA用にこの色は使わないように運用するというのも運用予定の中にいれていると良いかもしれません。

色だけで目立たせようと考えた場合、一般的に、設定されるのは「赤」か「緑」が多いようです。「赤」は、禁止の意で使用されることもある最も目立つ色で、闘争心や意欲を刺激する色とされています。「緑」は、安心感を与える色として、アクションに対する「不安」を軽減すると考えられるようです。色のほかにはそのボタンのアニメーションとかでも目立させることは可能です。ホバー(カーソルが乗った)時のアニメーションだけでなく、スクロールした後に表示してみたり、定期的にカタチを変えるアニメーションを仕込むのも良いですね。

CTAは様々な手法で存在感をアピールできるということを理解いただけたらいいのですが、どのような見せ方が効果的なのか?はそのウェブサイトを取り巻く環境によって異なります。感覚的な判断をするのも良いですし、A/Bテストツールを活用し、その検証結果を元に変更をするのも良いでしょう。大事なのは自己満足で設置して「これでどうだ!」とするよりもCTAとして結果を出すために変化をしていく姿勢にあるように思います。

※ABテスト記事リンクを検討される場合は以下の記事も参考にしてみてください。

5.接触回数を上げるためのCTAという考え方をもつ

LTV(Life Time Value)を上げる為にCTAを活用するという考え方を持つことで、売上への貢献とユーザーの嫌悪感低減をどちらも達成できる可能性があります。

LTVとは
日本語では顧客の生涯価値(Life Time Value:ライフタイムバリュー)と言われ、顧客一人が企業と取り引きを始めてから終わるまでの期間に、その企業が提供する商品やサービスに対して支払った合計金額(売上)を指します。

一般的にLTVは、次のように計算します。

LTV =「購入1回あたりの平均購入額」×「年間の平均購入回数」×「平均の継続年数」

ECサイトのように、何度もリピート購入するような商品やサービスを提供している場合、LTVは顧客の購入頻度、一生涯でどれくらいの売り上げに貢献してくれるのかを把握できる重要な指標です。LTVを上げるためのCTA例としては「我々が行っている社会貢献活動を知ってください」「皆様の売り上げの一部はこのように使わせていただきました。」というようなユーザーからすると一見売り上げに直結していないものに対するアクションを促すものになります。有益な情報を定期的に投稿するなども有効です。初見の過激なセール情報から購入するお客様と、日ごろから信頼感を積み上げているお客様とではリピート購入回数(LTV)に大きな差が発生するでしょう。値引きでしか売り上げをたてることができなくなってしまうと、将来的に厳しい戦いをしなくてはいけなくなります。

日常の生活の中では製薬業界の広告などがLTVを意識している広告として運用されているのではないかと思います。必要になったら使ってもらうというサービスは猛プッシュで売り込んでもその時点にニーズが無いので基本LTVを上げる施策となります。CMでたまにみることがある「受験生を応援しています」「(スポンサーになっている)スポーツチームを応援しよう!」というような活動を知ってもらうCTAをWEBサイトの一番強力な部分に設けているのも、慈善事業でやっているのではなく、LTVの観点からみると理に叶っているわけです。

CTAは、目的に応じて、ユーザーに応じて、とても自由度が高く改善余地の大きいパーツです。コンテンツの中では答えや結論を明かさず「続きはこちら」と誘導することで、 ユーザーの関心を惹きつけられるため、活用するCTAもあるんだということを頭の片隅においておきましょう。LTVに対するCTA活用はユーザーも行動を起こしてくれやすく、いわゆる売り込まれている感じもありませんので使いやすいCTAのカタチかなと思います。しかし、直近の売上に対しては即効性は期待できませんので、その点だけは留意しておきましょう。

マーケティング魂を揺さぶるWordPressテーマ「ROCK」

販売ページ デモサイト

モーダルCTAなど強力なCTAは一歩間違えばユーザーは強い嫌悪感を覚え、2度とサイトに来てくれなくなるかもしれません。興味を失ったユーザーを引き戻すのはとても大変なことです。強力なプッシュを行う時はそのバランスを見極めて実装を検討していかなくてはいけませんが、そこにCTAの魅力があるように感じます。

しかし、CTAが設定されていなければ、せっかく ユーザーに コンテンツを見てもらっても次の行動につながりません。改めて自社の運営しているホームページやリスティングページ、広告を確認し、CTAがわかりやすい形や文言で設定されているかチェックしておきましょう。記事を書くことばかりがウェブメディアを持つことではありません。WordPressテーマ「ROCK」を手にして本当のウェブメディア運営に挑戦してみませんか。

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