SEO(※1)とSEM(※2)は似て異なる言葉のように認識されることもありますが、ここではSEMの中にSEOが存在するという考えのもとSEMの重要性についてご紹介していきます。SEMは、検索を行っているユーザー全てを対象にホームページに集客するために行うマーケティング手法のことです。つまり、SEOとリスティング広告(※3)などを合わせた、検索結果が表示されるページ全体に対して、対応を行うことを指します。費用の掛からない自然検索部分に対するSEOの対応だけではリスティング広告を出稿されているキーワードにおいてなかなか良い位置に表示をさせることができません。常に費用を掛けた広告運用をする必要はありませんが、計画的に有料広告を使える知識を蓄えておくとより効率的な集客を行うことができます。

SEO(※1)
SEOとは、Search Engine Optimization (検索エンジン最適化)の略であり、検索結果でWebサイトがより多く露出されるために行う一連の取り組みのことをSEO対策と呼ぶ。
SEM(※2)
SEMとは、Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)の略であり、検索エンジンから、WEBサイト、ランディングページに、検索結果から送客するマーケティング手法。
リスティング広告(※3)
リスティング広告は、検索キーワードに応じて検索結果上に表示される広告を指します。 検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーがクリックするごとに課金される(PPC:Pay Per Click)のがその特徴です。

検索エンジン最適化(SEO)はサーチエンジンマーケティング(SEM)の要素

ターゲットのウェブサイトに対して、検索エンジンからの訪問者を増やすマーケティング手法の総称を「SEM」と呼び、その手法として「SEO」と「リスティング広告」が活用されている、という風に認識するとよいでしょう。

更に、ターゲットのウェブサイトに集客した後、どこのページに訪問者を繋げて、訪問者にどのようなアクションをして欲しいのか?というマーケティング手法の総称を「WEBマーケティング」と呼ぶ。 全体を俯瞰して見てみると、大きな「WEBマーケティング」の括りのなかに「SEM」があり、「SEM」の主な要素として「SEO」と「リスティング広告」があるということになる。
さらに例えるなら、ウェブマーケティングという世界にSEMという大地があり、そこを納めている2つの国が「SEO」と「リスティング広告」という感じです。

対応を検討するべきSEM対策

検索結果の画面全体を眺めてみてもリスティング広告が有料で掲載している分、優位性を持っていることが分かりますね。趣味のブログであれば無料で細々とという考えも分からなくはありませんが、事業としてウェブサイトを運用している場合はリスティング広告への掲載も含めて検討することが必要になってくるでしょう。

検索結果における「リスティング広告」と「SEO」

検索結果において、リスティング広告は、SEOによる自然検索枠とともに表示され「広告」というラベルが付加された有料広告枠に表示される形となります。表示箇所は自然検索枠の上、リスティング広告の掲載数が増えれば増えるほど、自然検索は下へ追いやられていくことになります。

予め予算を設定することができるものの、間違いなく費用は掛かるので、限られた予算の中では限定的な集客方法となってしまうのがリスティング広告です。その反面SEOは、知識があれば費用を掛けずに行うことができる対策であり、上位表示をしつづけることによって安定的な集客を見込むことができる費用対効果の高いSEMと言えます。

SEOによる自然検索のトラフィックが減少する!?

しかし、最近SEO対策を脅かすような事案が発生しています。そう。一部検索結果においてはファーストビューに自然検索枠が表示されない程、Googleのプログラムが関与した検索結果が表示されているのです。

参考:検索結果での強調スニペット – Googleサーチコンソールヘルプ

SEOとリスティング広告とでは、費用対効果の面で大きな差が表れやすいのですが、これからはその差がどんどん開いていきそうな可能性を感じます。

参考:ナレッジパネル内のビジネス情報 – Googleマイビジネスヘルプ

リスティング広告とSEOのメリット・デメリット

結論から言うと、費用対効果、損が出ないように運用することが可能であればリスティング広告を運用することをおススメします。SEOに注力をすることは決して無駄なことではありませんが、SEMとして取り組むのであれば、リスティング広告の運用スキルもしっかりと磨いていくとよいと思われるからです。リスティング広告の運用と、SEOの両輪でSEM対応を進めていきましょう。

コンテンツの力が弱く、まだユーザーを集められていない場合はリスティング広告をおススメします。

リスティング広告のメリット

  • 確実な集客が期待できる
  • 費用に応じた反響が期待できる
  • ウェブサイト、サービスの認知につながる
  • ターゲットユーザーが集客できる

リスティング広告のデメリット

  • 確実に費用が発生する
  • ビッグワードへの出稿だと広告費が高い
  • 広告、PRと明示されているので敬遠するユーザーが一部存在する
  • 対費用効果次第では継続が困難になる

SEOはリスティング広告の出稿がない検索ワードにおいて抜群の成果を発揮します。コンテンツでユーザーを集めることができるようにSEO対策を行っていきましょう。

SEOのメリット

  • 基本的に無料(SEOコンサルティングなどを依頼すると高額になる)
  • 制作したサイトが資産となる
  • 上位表示による集客効果が期待できる
  • ウェブサイト、サービスの認知につながる
  • ターゲットユーザーを集客することができる

SEOのデメリット

  • 確実に集客できるわけではない
  • ターゲットユーザー外の不特定アクセスも一定数集まる
  • 効果を出すには専門知識が必要
  • 検索画面の構成が変更されるにつれて、今後さらにトラフィックの減少が懸念される

このように、それぞれ良い点・悪い点があるので、リスティング広告とSEO対策をうまく使い分けながら、効果的なSEM対策を進めるとよいでしょう。計画的に、単発的に集中して集客したい場合は「リスティング」を利用する。日常的な対応、対策は「SEO」に注力する。などして、サイトの集客パフォーマンスを管理するとよいと思います。

費用対効果を意識してSEMを行う

予算が無限なら別ですが、基本的に予算が限られてるという状態であると思います。そこで気にしなければいけないのは費用対効果です。売上ばかりに集中せず、利益をいくら残すことができるのかに注目をしなくてはいけません。いかにお金をかけずにWebから集客できるかというのもSEMにおいて重要なポイントとなります。バランス感覚を磨きながら数字は上がったが利益が残らないという事態にはならないようにしましょう。

費用対効果が高いのは間違いなく「SEO対策」ですので予算が少ないうちはSEOに重点を置いて集客の施策を検討していく、でもしっかりとタイミングをみて費用を掛ける「リスティング広告」でも勝負を掛けてみる。2つの運用をしっかりと行うことでSEMの運用スキルが育ち、あなたのサービスの資産となるでしょう。

リスティング広告の種類

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページ、または広告掲載を許可しているウェブサイトの定められた枠内に表示できる広告です。費用は、広告がクリックされた場合にのみ、発生するクリック課金型の広告です。予算は設定が可能で、設定した予算以上の金額は発生しません。目標をしっかりと定め、それに合わせた予算の設定を行うこと重要です。広告を掲載するキーワード、表示するサイト属性を選択できるため、購入意欲が高い可能性のあるユーザーに絞って集客することができます。SEMを意識するにはまず無視できない要素がリスティング広告です。

詳しくは以下公式の情報を参照してください。

検索連動広告


検索連動広告は、主にGoogleとYahoo!の検索結果に対して、広告の表示領域に表示される広告のこと。自然検索よりも優遇された位置に表示される。

ディスプレイ広告


ディスプレイ広告とは、検索結果画面ではなく、特定の広告の表示を許可しているWEBサイト上に掲載される広告のこと。 特定のWEBサイトとは、GoogleやYahoo!が提携している配信パートナーで、それぞれのアフィリエイトプログラムの中で、自社のWEBサイトやブログをのスペースを使ってマネタイズするべく、広告の表示領域を確保している。

配信パートナーは、アフィリエイトプログラムに登録する際にカテゴリを指定するように定められているため、配信される広告はカテゴリにマッチしたWEBサイトが自動選定されることになる。

リターゲティング広告


ネットサーフィン中、いろいろなウェブサイトに移動しているにも関わらず、あちらこちらでやたらと似たようなダイエットの広告を目にすることはないだろうか。それは、きっとあなたがダイエットに関する検索を最近タイムリーに行い、いくつかのダイエット情報が掲載されたウェブサイトに訪問したからだろう。最近はどのような商品であっても各所に仕込まれたリターゲティングタグにCookieを付与されてしまい、広告が追跡しているかのように表示される。楽天など大手ECサイトを閲覧すると、閲覧した商品のバナーがモール滞在中ずっと表示されたりする。

見た目はディスプレイ広告と同じだが、リピーターは新規顧客よりもコンバージョンしやすいため、リターゲティング広告はとても効く広告形態として知られている。

性別・年齢・地域ターゲティング広告

上記の広告に加えて、性別・年齢・地域を設定して対象を絞り込むことができる絞り込み広告

デバイスターゲティング広告

上記の広告に加えて、設定したデバイスを利用している検索ユーザーに広告を表示できる絞り込み広告

プレイスメントターゲティング広告

広告を配信したいサイト・配信対象外としたいサイトを指定して広告の配信先を制御できる絞り込み広告

まとめ

本稿ではSEMとSEOの単語の理解から今SEMに注目をするべき理由を解説してきました。費用対効果を常に意識して効率的のよいWebマーケティングを行うことを目指していきましょう。5年掛かるアクセス総数を費用を掛けて一気に集めてしまうことで時間の節約につながる側面もあるでしょう。

集客は目的ではなく、売上を上げる為の手法です。あくまでも集客の効果は訪問後のユーザーに対する成約率を含めて検証を行わなくてはいけません。マーケティングは計画、行動、検証、改善のサイクルを回しながら集客が安定するよう考えます。PDCAのサイクルを回すなかで費用対効果をどんどん上げていくことが理想です。集客面にだけ集中しすぎないように、ユーザーがより満足するWebページを増やすこと。サイトの質を上げながら、SEM、SEOで上位表示を目指すことが重要です。悩んでもなかなか判断をすることができないと思いますので、少額でも行動してみることも大事になるでしょう。行動からは経験が産まれ、それがあなたの知見として資産になると思います。