通常は分析の為に有用なツールの使い方、考え方など、リサーチ~改善のためのサイクルを回すことは大切である。という前提の元記事を書くことが多いのですが、今回は真逆の切り口から書いています。個人的な本音に近い部分を書いているのかもしれません。賛否両論あるかと思いますが、是非ウェブサイト運用の参考に読んでいただけたら幸いです。

アクセス解析は無理をしてまで「常に実行しないといけない」という類のものでも無いと思っています。そこで、この記事では分析をしなくても良い(と思われる)ウェブサイトについて、例を挙げて考えを書いています。該当するウェブサイト運用+(無意識に、決められた)日々の解析に時間を割いている。という場合は「ハッ」とされるかもしれません。その場合はこの記事の内容に納得できたかどうかは置いておいても一度考えてみてください。「その分析は本当に必要なのか」と。

アクセス解析を行う必要が(まだ)ないウェブサイトについて

掲題に誤解が無いよう書いておきますが、アクセス解析はウェブサイトをよりよくしていく為に重要なツールであることに疑いはありません。しかしアクセス解析が必要になる段階がウェブサイトを立ち上げた序盤にあるかどうか?というところが今回のテーマです。SEO対策においても似たようなことが言えるかもしれませんが、対策が意味を成す状態になってこそ必要だと思うわけです。

1:アクセス数がまだまだ少ないウェブサイトである

アクセス数が少ないウェブサイトは、とりあえずコンテンツの作成や集客に時間を使うべきです。その理由としては、アクセス数が少ないウェブサイトではデータがまったくアテにならないからです。アクセスの流入が20件しかない記事の直帰率が80%だったり、アクセス流入が10件のキーワードの内、5件でコンバージョン率50%といった極端な数値が出てしまいます。あまりみることない高数値は見ていると嬉しいのですが(笑)何の参考にもならないというのは一般的にわかっていただけることかと思います。またボリュームが少ない時点で、仮に改善施策を行ったとしてもその改善効果はコンバージョンや売上への跳ね返りもありません。その施策で上がった数字かも実際把握することが難しい場合もあります(逆に分かりやすいこともありますが、そういうケースは解析していなくても問題ない施策でしょう)。

よって、アクセス数が少ないサイトにとって、分析は必要ありません。利用者が少ないサービスやアプリも一緒です。まずはコンテンツを作りこみましょう。

では、どのあたりから解析が必要なのか?ということにもなりますが経験からいくと、少なくとも月間1000アクセス~でコンバージョンを軸に考えるとキャンペーンなどを開催していない平常運転を指標に月間10件~コンバージョンするというくらいから解析を始める意味があるのかなと感じます。これは個人的な感覚なので参考程度に捉えてください。数字を追わないと、指示、行動できないというチームのケースもあるかもしれません。あくまで精度や手間という観点から分析は割に合あわないことがあるということです。

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2:まったく目標が設定がなされていないウェブサイト(運営)である

アクセス解析には主に「課題発見」と「モニタリング」という2つの役割があります。

「課題発見」はデータからサイトの良いところ・悪いところ・トレンドを発見し、そこで得られた事実を元に施策を考えるという手法のことです。また、「モニタリング」はサイトとしての効果や価値を計測し、現状を把握するというものです。どちらのケースでも「目標設定が行われている」ことが大きな前提になります。目標が設定されていないサイトは、「結局それが何の為に良いのか」を把握できていない為、数値を改善するという行動のモチベーションが低くなりますし、行動を行うことが仮にできたとしても、それが何の為になったのか?改めて評価を行なうことが難しくなります。社外にウェブサイトの解析を依頼している場合において、この傾向に陥っているケースは多いかもしれません。

目標が設定されていないウェブサイト(運営チーム)に関しては、まず目標を決め、その目標が取得出来るようにアクセス解析ツールで設定を行ってから分析をしましょう。目標は気軽に決めるようなものではありません。その数値にコミットするという事を前提に、議論してそのウェブサイトを運営するチームの意図をもって決める必要があります。

もしウェブサイトの運用をサポートしているパートナーなどに解析を依頼している場合、その目標設定をしっかり社内で考えた経緯があったのか思い返してみましょう。もし、そうでないのであれば今からでも遅くはありません。社内でウェブサイトを持っている意味、目的についてしっかりと話し合う機会を設けるようにしましょう。強く求める目標があってこそ、アクセス解析を行うことに意味がでてきます。

3:分析から改善する為の行動に繋げられない運営体制である

アクセス解析は改善を繰り返しながら目標の達成に繋げるためツールです。ウェブサイトの運用における羅針盤となりますので、データを元に施策を考えて実行をしていく必要があります。ただデータを見ているだけ、レポートを作っているだけではもちろん売上は上がらりませんし、調査、分析に関わるコストは掛かかり続けます。

データから行動に繋げることは施策の精度や回数を増やすことが出来ますが、分析をしなくても施策自体は行えます。ありあまる行動の選択肢と行動力があるのであれば、ひとまず今はデータに頼ることもないでしょう。

データは自分たちの行動に変化をもたらしてこそ、意味を成すと考えらえます。「分析した人、レポートを集計した人が、施策を考えて提案出来る環境がある。」という事がウェブサイトを分析するにあたって大切な環境要素です。施策の提案(時には実行)を行うことを前提にデータを用いて説得力を持たせるような使いかたができるのであればよいと思います。

分析を施策に繋げられないチームであれば、ウェブサイトの分析は必要ありません。

4:「ユーザー(人)」ではなく「データ(数字)」を優先している

ウェブサイトの分析をして測定された数字は少し過去の事実でしかありません。ウェブサイトにおける運用は各データやそのデータ分析によって未来の施策における成功率や予測精度を上げられるはずですが。ここで大切になるのは、最「施策そのものを考えられるのか?」という事です。

パターン3でも挙げたような、解析を行わずとも行動の選択肢が常にある。行動力があふれているというチームの場合は、しっかり数字の先の人をターゲットにすることができている可能性が高いと思います。行動を起こすには「(誰を)、幸せにしたいか?」が根底に必要だからです。その誰というのは直接的にサービスのユーザー(利用者)にあたる人のことであって、そのユーザーを理解する方法は、データだけではありません。むしろそれ以外で得られる情報のほうが大きいでしょう。

ユーザーへのインタビュー・アンケート、購入者から寄せられたレビューなどからも自社サービスのユーザーに対する理解は深めることができます。そして施策は、自社の他のサイトや同業他社のサイト・サービスなどを利用する事でも見つけることができます。「こうしたら喜んでもらえるかも」「こんな悩みを持っているんだ」「うちのサービスのここにクレームが集中している」というようなことに応えるものが行動するべき施策です。ユーザー(人)を認識して、そのユーザーの為に行動する施策をストック出来るように慣れば、後は組み合わせたり、応用したりという事が楽に素早く出来るようになります。

「ユーザー(人)」ではなく「データ(数字)」を先に考えてしまう組織や個人は、分析の時間を減らして、ユーザーや施策の理解に時間を使ってみるのはどうでしょうか。利用者や施策を理解すればするほど、分析する際に見るポイントも明確にでき、結果的に分析の精度を上げることが出来るようになります。

「データ(数字)」に過剰になりすぎている場合、ウェブサイトの分析以上に必要なものを見失っているかもしれません。

まとめ

アナリティクスなどのウェブサイト分析に時間を割いている運用チームは多いと思いますが、今回は分析が必要がないウェブサイトと、その運用に関わるチームの在り方に至るまでいくつかのシーンを例に挙げてみました。ウェブサイトの運営において、データを扱う上で大切なのは、事業、活動、アフィリエイト、趣味ブログのどれであっても、達成したいゴールをしっかりと見定め、それを達成するための手段として使いこなすことです。

「みんながやっているから必要」という考えは危険です。未来に関わる行動選択です。「一般的に行っている」というだけの施策を「自分たちにとっても必要である」という置き換えで本当に良いのでしょうか。実際はそれに無駄なリソースを割くことになってはいないでしょうか。

集計や分析の先にあるものをしっかりと認識できているのか。数値の移り変わりのその先に自分たちが達成したい未来が見えているのか?少し大袈裟な話になってしまいましたが、そこがウェブサイトを解析することが必要になるシーンではないかと思っています。