アクセス解析を行うことは今や当然のことになっています。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールをあたりまえのように導入して日々数字とにらめっこしている担当者もおられるのではないでしょうか。当記事ではアクセス解析が必要ないウェブサイトとして、サイト運営の中でアクセス解析の優先順位みたいなものを考えていきたいと思っています。

アクセス解析が入っていることが当然の状態になった背景には、アクセス解析がウェブマーケティング上で有益であるという事実があってのことと思います。しかし、裏を返すとアクセス解析の結果を有効的に使用することができない状態においては、アクセス解析に割く時間を別のことに費やした方が良いのでは?という風に思います。

アクセス解析が必要ないと思うウェブサイト

以下のようなウェブサイトにはまだアクセス解析は必要でないでしょう。

アクセス数が少ないウェブサイト

アクセス数が少ないウェブサイトはまず単純にアクセスを増やすことが重要です。アクセス解析を眺めていてもアクセス数は増えないでしょう。コンテンツの制作や集客の施策にまず力を注ぐべきなので、アクセス解析をする必要がない。また、アクセスが少ない状態、つまりすくないサンプル数で何かを判断をするということは雰囲気で判断するのと大差ない状態であると思います。

例)
LPを公開して1週間が経った、アクセス解析を見てみよう。LPページに50人アクセスして25人が購入してくれたのでコンバージョン率50%取れている!と判断。このページの広告費を10倍にしよう!

一か月後、3000アクセス、購入者50人という結果にガッカリ…

ということが普通に起こりえます。もちろんその逆の事例もあるでしょう。全くダメだと思ったものが息を吹き返したように業績を上げるケースです。こういった上振れが起きるようにコンテンツ作りに勤しみましょう。つまり少ないサンプル数でデータだよりの判断などできないということを覚えておかないといけません。

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とにかく記事を書いてみる!という時のヒントにしていただけたら幸いです。

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進んで行く方向が定まっていないウェブサイト

ただウェブサイトを作っただけ、というようなケースもまだありますのでそちらもこのパターンに該当するでしょう。運営していても何を目標にしているのかがないと、アクセス解析をして検証を行う意味が薄くなります。どの目標にい向かているから、そこに近づくためにどんな検証が必要なのか?というところがあってアクセス解析は始まります。

アクセス解析には3つの視点があります。

  • 現状を知る、把握する
  • データから課題を発見する
  • 施策を行ったことに対する反響を見る

方向性が定まっていない状態で出来ることは現状を知ることだけです。それでは前に進めません。ゴールとなる目標を定められてこそ、そのデータをもとに検証をすることができます。

行動することができない運営体制

アクセス解析は改善を繰り返しながら目標の達成に繋げるためツールです。ウェブサイトの運用における羅針盤となりますので、データを元に施策を考えて実行をしていく必要があります。ただデータを見ているだけ、レポートを作っているだけではもちろん売上は上がらりませんし、調査、分析に関わるコストは掛かかり続けます。

データから行動に繋げることは施策の精度や回数を増やすことが出来ますが、分析をしなくても施策自体は行えます。ありあまる行動の選択肢と行動力があるのであれば、ひとまず今はデータに頼ることもないでしょう。

データは自分たちの行動に変化をもたらしてこそ、意味を成すと考えらえます。「分析した人、レポートを集計した人が、施策を考えて提案出来る環境がある。」という事がウェブサイトを分析するにあたって大切な環境要素です。施策の提案(時には実行)を行うことを前提にデータを用いて説得力を持たせるような使いかたができるのであればよいと思います。

人を見ずに数字を追っている場合

数字は増えるか、減るか、維持するかしか動きませんが、人の気持ちはあちこちに動きます。数字を追っているだけでは人の行動に繋げることが難しいかもしれません。商売をやっている限り相手が数字であることはありません。データで埋めるところと、人として考えるところが必要です。優先的に人を捉えることで統計的なデータの裏付けが効いてくるでしょう。

現状上手くいっている場合

改善する必要がないほどうまくっているのでしたらその時は突っ走って良いと思います。改善する必要が無い時はアクセス解析が不要になるでしょう。良い感じの数字をみて自己満足には浸れると思いますが、改善することがない場合においてアクセス解析は不要だと思います。

ツールを使うことができない、使える人がいない場合

パソコンを使いこなせる人がいない。アクセス解析ツールを読める人がいない場合、無理にアクセス解析を使おうとしなくても良いでしょう。アクセス解析は活用できなくては意味を成しません。データを読める人に依頼を行うか、自分で読める様に仕事の合間に勉強しましょう。アクセス解析については得手不得手があります。得意な人にやってもらうことが大事でしょう。

まとめ

アナリティクスなどのウェブサイト分析に時間を割いてしまっている運用チームは多いと思いますが、今回は分析が必要がないウェブサイトと、その運用に関わるチームの在り方に至るまでいくつかのシーンを例に挙げてみました。

「アクセス解析はみんながやっているから必要」「毎週レポートを出して会議するのが決まり」という考えは危険です。あなたのメディアにとっての未来に関わる行動選択です。「一般的に行っている」というだけの施策を「自分たちにとっても必要である」という置き換えで本当に良いのでしょうか。実際はそれに無駄なリソースを割くことになってはいないでしょうか。

集計や分析の先にあるものをしっかりと認識できているのか。数値の移り変わりのその先に自分たちが達成したい未来が見えているのか?少し大袈裟な話になってしまいましたが、そこがウェブサイトを解析することが必要になるシーンではないかと思っています。