Webのコンテンツマーケティングにおいて重要なのは文字や言葉による表現です。言葉をどう使うかで、読みやすさが変わったり、読み手の購買意欲や行動にも影響を与えるものです。コピーライティングに関する知識はLPやセールスレターを書き時だけでなく、ブログを書く時にも役立つものですので知っておいて損はない知識でしょう。

本稿ではコピーライティングの基礎知識から読まれやすい文章の書き方までを解説します。

媒体によるコピーの種類

コピーは目的や媒体によって特徴が変わってきます。細分化すると多くの種類がありますが、その中でも大きな括りである3つのライティングを紹介します。コンテンツや広告を作成する上で必要となるので、それぞれどういった文章のことを指すのかを把握しておきましょう。

ブランド認知の為の広告コピー

広告コピー例
広告コピーとは、簡単に言うと広告宣伝のための文章のことです。商品やサービスなどを宣伝するのが広告ですが、web広告やTVCMなどで印象的なフレーズが使われているのを目にしたことはないでしょうか。記憶に残る企業や商品のキャッチコピーも、コピーライティングのひとつ。企業や商品のブランディングのためのイメージ広告に使われる文章を指します。

コンバージョンを高める為のセールスコピー

セールスコピー例
広告コピーがイメージ戦略のためのライティングであれば、セールスコピーは売るための文章。商品の購入やサービスの申し込みを行ってもらうために書かれた文章で、何らかの反応を得るという目的があります。ランディングページやメールマガジン、ダイレクトメールなどが該当します。イメージを伝える広告コピーに対して、セールスコピーは商品やサービスの特徴を直接的に伝えます。

集客や人に読ませる為のwebライティング

Webライティング例
webライティングはその名の通り、webに特化したライティングのこと。イメージしやすいのはブログの記事でしょうか。SNSで使う短文もここに含んでも良いかもしれません。他にも広告やセールスページ内で使われる本文も含みます。Webで使われる文章の編集能力と言い換えても良いかもしれません。編集能力が高ければ、長文であっても人に読ませることができるので、ストーリーで惹き込んだり、アクションを起こさせるところまで持っていくことができます。

また、情報量が多くまとまっているページを検索エンジンは評価しがちですが、読まれる長文を書く能力はSEOマーケティングにおいても重宝される力です。ただ長い文章を書くスキルと言うよりは、色んな意味で引き込む文章を書けるかどうかが問われます。

広告コピーとセールスコピーの違い

広告コピーが商品・サービスの認知、ブランディングの為にイメージを伝える文章であるのに対し、商品購入やサービス申込といった成約を目標とする文章とがセールスコピーとなります。

広告コピーには広告宣伝のための販促要素はありますが、イメージで伝えるという点が大きく性質の異なるところです。商品のイメージを伝えるものですが、直接的な売込み要素とは切り離されたものです。例えば、実際につけられた映画のキャッチコピーを例に挙げましょう。

・ローマの休日(1953): 永遠に続く、たった一日の恋。
・火垂るの墓(1988): 4歳と14歳で、生きようと思った
・もののけ姫(1997): 生きろ
・ファイトクラブ(1999): 危害、破壊、石鹸
・アウトレイジ(2010): 全員悪人

少し古めの作品を集めてみましたが、この作品が好きな人はキャッチコピーも頭に残っているという人が多いのではないでしょうか。また、キャッチコピーを見た瞬間に作品の映像が想起できるほどのコピーです。作品のイメージを印象の強い言葉でまとられめることはもちろん、短いコピーの中にコピーライターの創意工夫が詰まっていると言っても良いかもしれません。いずれにせよ、秀逸なコピーです。

一方でセールスコピーは、コンバージョンを高める為、読み手にアクションを起こさせる為の文章です。そのため、価格や商品スペック、ベネフィットなど、購入や申し込みの後押しをするようなことをどう表現するかがポイントとなります。セールスと名が付くものはレスポンスを求める販売の文章だと思って差し支えありません。webコンテンツは、多くの場合セールスコピーの要素が強くなります。

LPやセールスレターにおけるコピーの要素

コピー要素
コピーはコンテンツにおける文字情報のこと。その為、無限のバリエーションが存在するものですが、ここではあえてオーソドックスなセールスコピーから基本要素を抽出して解説します。

キャッチコピー

コンテンツの中でも1番目立つのがキャッチコピー。見た人の心をキャッチするという意味で、キャッチコピーと名付けられました。略して「キャッチ」、もしくは「キャッチフレーズ」と呼ばれることも。見出しのような役割を果たすキャッチコピーは、短く印象的な言葉や文章であることがほとんどです。読まなけれならないほどの文字数があると、見た瞬間に意味が伝わらず見た人の心を掴むのは難しくなります。ぱっと見でどれだけ心を掴めるかを考えましょう。メインビジュアルとセットで考えられることも多いです。

サブキャッチコピー

キャッチコピーのすぐそばに配置されるのがサブキャッチコピー。キャッチコピーを補足する役割があります。キャッチコピーはぱっと見で引き付けることが役割。そのため、短くキャッチ―な表現となっています。しかし、それだけでは何のコンテンツなのかが伝わらないことがあります。それを補足し、内容を明確にするのがサブキャッチコピーです。キャッチコピーだけで十分な場合は省略されることもあります。

リードコピー

広告やコンテンツには、興味を引く部分と読んでもらう部分があります。見た人の興味を引くのがキャッチコピーの役割でした。そして、詳細説明を行う本文が読んでもらう部分です。リードコピーは、キャッチコピーから本文へ誘導するための文章。キャッチコピーで興味を引いた後に、その興味を維持したまま自然と本文を読んでもらえるように考えます。

ボディコピー

リードコピーから続くボディコピーは、コンテンツにおける本文のこと。商品やサービスについて具体的に書かれる部分で、1番大切な情報が詰まっている部分です。キャッチコピーは興味を引くためのインパクトが重要な部分でした。ボディコピーは、キャッチコピーやリードコピーで興味を引いた部分を、より具体的にわかりやすく説明します。直接的な販促を目的としないイメージ広告の場合は、ボディコピーがないこともあります。

その他

その他、ボディコピーの中に存在する見出しコピーがあります。ボディコピーの文字数が多くなると読みにくくなるため、いくつかの段落に分けます。その段落の内容を要約したコピーが見出しコピーです。書いてある内容がわかりやすくなるため、読者が必要に応じて読むという取捨選択ができるようになります。

セールスコピーにおいては、ボディコピーの後にクロージングコピーが続きます。キャッチコピーで興味を引き、リードコピーで自然とボディコピーに誘導し、ボディコピーで詳細を説明。そして、最後にクロージングコピーで、商品購入やサービス申し込みという実際の行動を促します。最後の売り込みの段階がクロージングコピーということですね。反応を求めないイメージ広告にはありませんが、セールスコピーの場合は、結果につながる重要なコピーです。

LPやセールスレターには様々なタイプがありますので、よろしければこちらもご参考ください。
ケースごとに選ぶ4タイプのランディングページ

コピーライティングのコツ

イメージコピーもセールスコピーも含めたコピーライティングは、基本的には伝える技術です。その為、「人に伝える」とはどういうことかをまず理解しなければいけません。

まずは自分が感動する

下記の記事でもありますが、まずはコピーを書く商品やサービスが持つ魅力に対して、ライター自身が感動することです。その自信が言葉に説得力をもたせます。不思議な力ですが、テクニックではどうしようもない部分でしょう。

素晴らしいコピーからは、ライターから「こんなすごいの作ってんだよ!」というドヤ感が伝わってきますが、この自信が大切なんですね。前提条件として、素晴らしいコピーには素晴らしい商品・サービスがあることが必要ですが、商品の魅力にライター側が共感していることもより重要です。ライター自身が何も感じておらず、単なるスペックやメリットの羅列だと、いい意味でのドヤ感は出てこず、ただの煽りになってしまいますので。

出展: 自分が心を動かされた広告はコピーのヒントになる

伝えたいことを明確にする

相手のこころを動かすには、知識を伝えるだけでは足りません。足りないというよりは、途中で飽きられてしまいます。だから、あなたはワクワクするようなことをコピーで伝えるようにしましょう。何を伝えればいいか?それは上の項で取り上げた「まずは自分が感動する」を参照してください。そこから、伝えたいことの要点を明確にし、わかりやすい言葉にしていくわけです。

誇大表現や嘘をやめる

コピーに誇大表現や嘘があると、長い目で見ればマイナスになります。かと言って、商品の魅力を伝えるのがライター責務。どうすればいいかと言うと、ライターが商品の魅力を引き出し、どう使えばいいかを提案するオピニオンリーダーである必要があるということです。

まず、誇大表現や脚色が駄目な理由の1つ目。それは読み手がこれは嘘だとか大げさとか認知してしまうとその後に続くコピーが頭に入ってこない点。2つ目は煽りに煽って成約に至ったとしても顧客との関係は短命に終わる点。LTVの観点からも逆マーケティングとなりがちです。

出展: 広告コピーで嘘、誇大表現、脚色が駄目な理由

読みやすさを意識する

読みやすさはとても重要です。ライターの知識を振りかざすためにセールスコピーがあるわけではありません。コピーはなるべく専門用語は使わず、誰にでも分かる言葉を選ぶ必要があります。

読みやすくするテクニック集

読みやすくするテクニックとして、見出しを使う、文節ごとに余白を使う、といったものがあります。図解や写真を時折混ぜることも効果的です。特にブログを書く時には必要なテクニックですので、下記ページを参考にしましょう。

コピーライティングで大切なのは、「誰に何を伝えるか」です。伝えたいことがなければ伝わらない、陳腐な文章の塊になってしまうという点は注意が必要です。読み手を置き去りにしたコピーにならないように気を付けましょう。

コピーライティングは奥が深いもの

コピーライティングは人の心を揺さぶるものであることは確かです。そして、それは映画のキャッチコピーでもそうですが、商品だったりサービスだったりと紐付けられて発信される文章です。ゆえに奥が深く、単なる言葉遊びではないことが分かります。

人のこころを動かすキャッチコピー。これは時に人を感動させ、行動にも影響させる。そして、その人のこころの中ではどこかしら潜在的な部分で永遠に残るものです。コピーは決して買わせるテクニックでも売上を上げるためのテクニックではなく、(もちろん現実的な話、それらも込みではあるのですが)その商品の良さを的確に伝え、商品を使ってもらい、人々を豊かにするハブ的存在として機能するものであるということです。

その為、コピーライティングの行き着くところには”人間理解”があり、その土台の上にある言葉であるというわけです。