WordPressのサイトで運営していると、何らかの理由でサイトのドメインの変更が必要であったり、サービスへの不満からサーバーを変更するためにサイトを引っ越しすることがあります。サイト内のコンテンツをすべてコピーして別の環境に移行する作業ですね。WEBサイト制作のために、本番と同じ検証用の環境を用意する際にも必要な作業です。

WordPressにデフォルトで用意されているインポート・エクスポート機能やプラグインを用いてサイトを移行することができるので、今回はその方法に触れつつ、移行の際に注意しておきたいことについて考えていきたいと思います。

なお、当サイトでも10年間使い続けたドメインを新しく変更した経験があるため、それについてのレポートもまとめています。よろしければご参照ください。

サイトを実際に移行してみよう

いきなりですが実際にサイトを移行してみましょう。といっても簡単なので当記事の手順通りに進めれば問題ありません。検証用の環境を用意する場合も、旧サイトから新しいサイトに移行する場合も方法は同じです。また、サイトの移行前には、念のため必ずバックアップを取っておきましょう。バックアップが簡単に取れるプラグインについては下記記事を参考にご覧いただけます。

WordPressデフォルト機能でサイトを移行する

WordPressのデフォルトのエクスポート機能で、サイト内の投稿や固定ページを丸ごと移行可能です。まずは移行元のサイトからファイルを取り出す作業を行います。下記のように管理画面左下のメニューにあるツールからエクスポートを選択します。

上記画面で、「すべてのコンテンツ」にチェックが入っていることを確認して「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックすると、xmlファイル形式でダウンロードできます。

次に移行先のWordPress環境に上記で取り出したファイルを読み込ませる作業です。同じく管理画面のメニュー内のツールから、インポートをクリックします。

上記の画面で、「WordPress」の箇所の「今すぐインストール」をクリックすると自動でWordPress標準のプラグインのインストールが始まります。その後表示される「インポーターを実行」をクリックして、先ほどダウンロードしたxmlファイルを選択してアップロードするだけです。

以下の画面では、「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」からチェックを外した状態で「実行」をクリックしましょう。メディアファイルも一緒に移行するはずの機能ですが、どうもうまく移行できないケースが多いようです。筆者自身も移行に失敗したり、移行先のメディアファイルが空のままになっていたことがあります。

ですので、WordPressのデフォルトの機能では、投稿や固定ページを移行するときのみで、メディアファイルなどもまとめて移行したい場合は、次項で紹介するプラグインを使って移行するようにしましょう。なお移行先のサイトのユーザーに置き換えたり、新たに投稿者を設定したい場合もこちらの画面で設定可能です。

ここまでで移行先のサイトを確認してみてください。投稿や固定ページなどが移行されているはずです。ただしデフォルトのエクスポート機能では、サイトのタイトルやキャッチフレーズ、プラグインやテーマファイルなどは移行できません。移行先で改めて設定したり、インストールする必要があるので、サイトのデザインはインポート前と変化無しです。

  • 移行元のサイト

プラグインを使ってサイトを移行する

下記記事で紹介されているプラグインを使えば、テーマやプラグインも丸ごとコピーされます。サイトのデザインなどもそのまま引き継ぐことが可能です。サイトのバックアップにも活用できるので、ぜひ参考にご覧ください。

WordPressのサイト移行前・後に確認しておきたい項目

ここまででサイトの移行やバックアップはそれほど難しい作業ではないことがわかっていただけたと思います。ただ、WordPressで構築されたサイトを移行した後に注意して確認しておくべき点がいくつかあります。確認を怠るとせっかく移設したサイトの価値を下げたり、リスクを冒すことにも繋がるので、以下の項目を中心に見ていきましょう。

  • ドメインパワーの影響を知っておく
  • 移行後のWEBサイトの動作に確認する
  • SEOに影響するリダイレクト設定を確認する
  • 新しいサイトのセキュリティ面を確認する

ドメインパワーの影響を知っておく

ドメインを変更すれば、これまで培ったドメインパワーを放棄することになります。基本的にはドメインは永続的に使うことを前提に考えておくことがベストです。

とは言え、どうしても新しいドメインでやりたいという気持ちもわかります。私たちもそのデメリットを知った上で、10年間使い続けたドメインから引っ越しをしました。

移行後のWEBサイトの動きを確認する

せっかく移行した新しいサイトの動きが元の環境と異なっては、元も子もないです。WEBサイトの運営において、そのデザインやコンテンツのクオリティはキモとなります。そのデザインが崩れたり、表示されるべきコンテンツが表示されなかったり、正しく動作しなくなればWEBサイトの役割を果たせません。それが検証用の環境であったとしてもです。本番とまったく同じ環境を用意できなければ、正確な検証を行うことができないので当然ですね。

SEOに影響するリダイレクトについて考える

検証用の環境を用意するためのサイトの移行においては、あまり関係ありませんので読み飛ばしていただいて結構です。ただし旧サイトから新サイトへ移行し、そのサイトを継続して運営していく場合は、必ずチェックが必要な項目になります。

サイトを移行するということは、そのURLが変更される場合がほとんどです。検索エンジンにインデックスされるURLが旧サイトのままでは、新サイトにアクセスできずに404エラー(NOT FOUND)などが表示されるので、しっかりとリダイレクトの設定をして、移行した先の新しいサイトに問題なくアクセスできるようにしておかなければなりません。

リダイレクトの設定については下記記事を参考にご覧いただけます。

新しいサイトでもセキュリティ面を意識しておく

URLが変わるということは、そのサイトのセキュリティ対策も並行して見直す必要がありますね。WordPressの代表的なセキュリティリスクとして管理画面への不正アクセスが挙げられます。

そのようなリスクを防ぐためには、以下のようなサービスが便利ですが、サイトのドメインを基準に設定するサービスなので、再度設定を見直す必要があるということです。

まとめ

WEBサイトのバックアップや移行は、仕組みや方法さえを覚えてしまえば、簡単な作業です。

しかし、移行先のサイトの動きの確認、SEOの観点からの設定(リダイレクト設定)、セキュリティ関連の設定などのサイトの整備・保守作業を怠っては、あなたが今まで築きあげてきたサイトに傷をつけることにもなります。移行作業はデフォルトの機能やプラグインを活用してスムーズに行い、移行した後のメンテナンスにこそ注力してみましょう。