リフォーム業界は、大手住宅メーカーはもちろんのこと、地域に根差した建設会社、リフォーム会社だけでなく、家電量販店などの異業種からの参入も多い分野です。そのため、業界内での競争は年々激しくなっているといえるでしょう。一般的に効果のあるといわれているチラシのポスティングなどをやってみても、思ったような反応率を得られない、といった「集客での悩み」を抱えているリフォーム業者の方々も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はライバル会社に打ち勝つために行うべき「コンテンツマーケティング」のポイントについて紹介し、中小の会社が大手に打ち勝てる「ネット集客」の基本について説明していきます。

大手リフォーム会社に打ち勝つためには

大手住宅メーカーや家電量販店など、資金力のある競合相手がどんどんリフォーム業界に参入している現状では、中小規模のリフォーム会社、建設会社はしっかりとした戦略を立てて集客方法を練る必要があります。従来からの王道とされるポスティング、あるいはタウン誌や地元の新聞への広告出稿、といった戦略をいたずらに続けていても、資金力や人的資源に勝る大手を相手にはいささか分が悪い面があることは否めません。

そのため、いかに低コストで、なおかつ継続的な見込み客を集めるための「仕組み」を作るか、という事が重要になります。資金力に劣るリフォーム会社が活路を見出すためには、「ネット集客」に取り組むことが効果的です。しかし、ただ単にホームページを作る、というだけではなかなかうまくいかないことが多いでしょう。ネット集客においても競合他社やライバルの数は非常に多く、きちんと戦略的に立ち回らなければなかなか成果には結び付きにくい、というのが現状です。

そこで大切になってくるのは、「お客さんが求めていることは何か?」ということを常に念頭に置くことになります。ネット集客に限らない、商売のうえでの基本的な心構えといえますが、ネットを使った集客法でもこの視点は非常に大切になってきます。

ネットを活用した集客法のメリット

それでは、まず最初にリフォーム会社が「ネット集客」に取り組むべき理由について説明していきましょう。「ネット集客」は資金力のない中小規模のリフォーム会社にとっては、非常にメリットの多い集客手法で、真っ先に取り組むべき手法といえるでしょう。その最大のメリットといえるのは、広告費用が非常に安く抑えられるという事です。通常の営業手法ではチラシのポスティング、DM(ダイレクトメール)、それからタウン誌や新聞への広告出稿、チラシ出稿などが考えられます。しかし、これらの広告出稿は当然、広告費が生じてきます。ポスティングを広範囲に行うには人を使った「人海戦術」も必要ですし、タウン誌などへの広告出稿では、1回の出稿でも数万円から数十万円といった費用がかかってきます。これを継続的に行っていくためにはかなりの広告費用を準備しなくてはなりません。

その点、ネット広告はサーバー費用やドメイン代、ホームページ制作に関する費用を含めても安ければ数万円で済み、うまく運営していけば経費は年間1万円程度で半永久的に集客してくれるのです。それだけでなく、ホームページを訪れる人は「リフォームについて知りたい」「リフォーム業者を探している」という「見込み客」です。ホームページに集まってくれるお客さんは成約率の高い人たちなので、こうした人たちの求める情報を漏れなく伝えることができるのは大きな強みです。安定的に集客できるホームページに成長していけば、チラシやアナログ広告とも連携した多角的な集客方法ができるようになってきます。

集客できないホームページの特徴

では、もう少し具体的にどのようなホームページを作るべきなのかについて説明していきましょう。ホームページを開設するといっても、現実としてなかなか集客に結びつかないホームページがかなり多いです。なぜ集客できないホームページになってしまうのでしょうか。実は、集客できないホームページには共通点があります。それは、「訪問者となる見込み客の求める情報が載っていない」という点です。

たとえば、せっかくたくさんの情報を載せていても、訪問者がどこから問い合わせをすればいいのかわからない、あるいは「問い合わせ」しかコンタクト方法が示されていない、という状態だと成約に結びつきにくいのです。お客さんがホームページに来た段階では、そこがどういう業者なのか、どういうサービスがあるのかといった点で、その会社の「顔」が見えない状態にあります。したがって、会社はどういう会社で、社員や社長はどういう人たちなのか、といった情報を載せたうえで、そのホームページ上でどういうアクションをすればいいのか、といったさまざまな「出口」を用意してあげる必要があるのです。

お客さんはネット上でしか情報を得られていないわけですから、少しでも知りたい情報に不明瞭さがあると、なかなか信頼してもらえません。価格の表示が不明瞭だったり、チラシや店舗とホームページ上でのイメージが乖離し過ぎていたり、といった点もマイナスです。

さらに、リフォーム会社にとって重要なのは「施工事例」です。リフォーム会社のホームページで最も多く閲覧されるのは「施工事例」のページなので、ここを優先的に充実させていくことが、ネット集客でのカギとなります。施行前と施工後のビフォーアフター写真、部位別、価格帯別に見やすい設計にしておくこと、そして費用や工期などの最低限の情報が分かりやすく載っているか、こういった細かな「配慮」に基づいたホームページの設計がとても重要です。”

集客するためのコンテンツマーケティング

リフォームのように「プロからのアドバイス」や「プロから発信される情報」が求められる分野で、より有効なネット集客方法とされているのが「コンテンツマーケティング」という手法です。カタカナの専門用語で難しそうに思いますが、要するに「専門家からの情報発信コンテンツ」による集客のことを意味します。

Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの求めている情報をできるだけ上位表示させるように、日々検索エンジンを改良しています。こういった検索エンジンでの表示順位を上げるために行う施策のことを、SEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)といいます。ホームページやブログが検索エンジンの上位に上がれば閲覧数が上がり、その結果として多くの顧客を獲得できるようになる、というのが、ネット集客の基本となる仕組みです。そのため、どうやったら検索エンジンの上位に上がることができるかが、ネット集客での最大の課題となります。

そこで、検索順位を上げるには検索エンジンがどういったコンテンツを高く評価するのかを知っておく必要がありますが、ズバリ言ってしまうと、検索エンジンは「専門家」による「有益」な情報を、より高く評価する傾向にあるのです。そのため、お客さんが知りたい情報を、リフォームの専門家としてホームページやブログなどで日々発信していけば、やがてそれが大きなコンテンツへと成長していく可能性がある、というわけです。これがうまくいけば、見込み客が会社のコンテンツの「ファン」となってたくさん集まってくるので、広告活動に資金をかけることなく、お客さんの方が勝手に集まって来る状況を作ることにつながっていくでしょう。

しかも、このコンテンツの作成自体は低予算で運営することができます。継続的にコンテンツ内容を増やしていけばいくほど、より強いSEO対策につながっていく、という大きな集客効果が期待できるのです。

集客したいならWordPressがおすすめ

「コンテンツマーケティング」をやっていく場合には、ホームページかブログを開設する必要があります。一昔前はホームページを制作する専門業者に依頼することが多かったのですが、今はパソコンに詳しくなくてもWEBサイトを構築できます。簡単な入力操作でサイト構築を自動的に行ってくれるソフトウェアがたくさん存在するからです。

こうしたソフトウェアのことをCMS(Contents Management System)といい、その代表格ともいえるのがWordPress(ワードプレス)です。WordPressは最も人気の高いCMSの1つで、全世界のWEBユーザーに利用されています。その人気の秘密はなんといっても、「専門知識がなくてもサイト構築が簡単にできる」ということ。そしてユーザー数が多いという事もあって、ブログやホームページの「デザインテーマ」や、機能拡張ツールである「プラグイン」の数が膨大にある、という点で、コンテンツの作りやすさ、という意味でも非常に優れています。

それに加えて、WordPressは基本的に無料で使うことができます。アップデートなどの作業は自動的に行われますし、基本的にSEOにも強いという特徴があります。一度テーマを決めて簡単なカスタマイズをしておけば、パソコンに詳しくなくてもプロが作ったようなWEBページが簡単に作成でき、コンテンツの更新などもすぐにリアルタイムに反映されて、操作も簡単です。運用するうえでなにかに困った場合でも、大量のユーザーのいるWordPressなら、ネット上や書籍などで多くのヒントやアドバイスを得ることが可能です。したがって、まずネット上でコンテンツを作るという際には、WordPressを使ってブログやホームページを作っていく、というのが基本となるでしょう。

他のリフォーム会社との差別化戦略がポイント

「コンテンツマーケティング」を行っていくうえでもう1つ、意識しておきたいポイントは、他のリフォーム会社との「差別化」を考える、ということです。お客さんに選んでもらえるための理由となるポイントを、さりげなくアピールしていくことが必要になります。

主に考えられる「差別化」のためのアピ-ルポイントとしては、他社にはない強み、たとえば、自社ならではの専門性、得意とする工事の種類や実績の多い施工工事の種類、などがあるでしょう。また、リフォームを依頼するお客さんは同じくらいのサービス水準の会社同士を選ぶときに、できるだけ家に近い方のリフォーム会社に仕事を依頼する、という傾向があるので、会社が地域密着型であることや、フットワークが軽いことなども、大きなアピールポイントになります。

さらに、これまでにどんな工事をしてきたのか、具体的にお客さんからどのような感想や評価を得ているのか、ということをきちんと紹介していくことも重要です。コンテンツを通じて、会社の社長や社員、スタッフの人間性をさりげなく出し、閲覧している見込み客に対して、自分たちが信頼できる人間であることをアピールしていくことも大切でしょう。

集客できるWEBサイトを構築しよう

このように、ローリスク・ハイリターンとなる「ネット集客」は、競合の多いリフォーム業界を勝ち残るためには、もはや欠かせない戦略です。常にお客さんの求める情報を提供していく、という基本戦略を忠実に行っていけば、どのような会社であっても大きな集客効果を期待できるでしょう。WordPressなどのCMSを使うことによって、リフォーム会社にとって大きな戦力となるコンテンツマーケティングに最適なサイトが簡単に構築できます。成長した自社のWEBコンテンツは、チラシや広告などのアナログ媒体と連携してさらに大きな集客効果へとつながっていくでしょう。